遠浅の死海。

文字の海に溺れて死にたい。幸福の国。

2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

【渦森今日子は宇宙に期待しない。】

女の子にしか書けない小説。 最果タヒさんの小説《渦森今日子は宇宙に期待しない。》を読み終わった瞬間に、反射的にそう思った。最近流行り?の大きすぎるパフェを一人で食べきったような読後感。それから、自分でもびっくりするくらい誰にも感情移入できな…

静かな時間を愛するすべての人へ。

静かな時間を愛するすべての人へ。 Q.「静かである」というのは、あなたにとってどのような状況の時に得られる感覚ですか? ・一切の無音空間にいる時?、 ・心地よい音だけが聞こえる場所にいる時?、 ・静かな人と過ごしている時?、 ・薄闇の中ひとりで眠…

成就しなかった初恋は呪い。

僕の初恋は16歳。 高校一年生の時。 今ままでの人生で、僕が「恋をした」と言えるのはこの一度きりだ。 それから【告白】という神風特攻をしたのもこの時、あの一度だけ。 相手は同学校の先輩。 2つ年上のバトントワリング部の女性。 ベタな比喩だけど花…

5年前。

“神様”と呼ばれた竜が北の空で、死んだ。人々の欲望、希望。食べきれなくなって、背負いきれなくなった。その竜は、透き通るほど白く、美しい。死んでも尚、美しい。心臓が止まって、少しずつ灰になる。雪が降り積もって、溶けてゆく。内蔵と骨は、広く浅く…

神の手は優しくって残酷。

僕は2ヶ月ほど前から2週間に一度、近所の皮膚科に通っている。左足の裏にイボができて、それを切除するためだ。別にイボそのものは痛くないのだが、これを切除するための治療には相当な痛みを伴う。 治療の内容はこうだ。 液体窒素(ターミネーター2で敵…

すべて春の所為だから。

僕はおばあちゃん子です。おばあちゃんと(父と母と弟と)一緒に暮らしています。だから核家族ではありません。ということは今回のテーマとは一切関係のない報告です。 今日、おばあちゃんがフキノトウを買ってきました。それを天麩羅にして食べました。僕は…

栄養価の高い関係性

人前では泣かないと決めつけていた君が、泣きそうな顔で星を見ている。空はもう明るんでいて、梟はさっき捕り逃がした獲物の夢を観ている。コンクリートの地面に繁殖したこの森は、君が秘かに流した涙だけを頼りに生きながらえていて。それは一見((冷たか…