遠浅の死海。

文字の海に溺れて死にたい。幸福の国。

井の中の蛙大海を知らず、されど

 

空の青さを知る人よ。

 

「空の青さを知る人よ」の画像検索結果

 

観てきました。

 

結論から言うと、しんのが好かん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

...と、観賞後の感想としてはホントにこれ以上でも以下でもない作品でした。

 

なんと言うか。僕はあの花が大好きなんですよ。だから、あの感動をもう一度!みたいな作品を期待していたんですが。

 

これはね、圧倒的に10代〜20代前半向けの“作画”と“キャラ”と“雰囲気”で魅せるタイプの映画でしたね。(※筆者は28歳)

 

だから、もし僕があと10年、いや、5年若かったらグッときていたのだろうけど、アラサー男子にちょっと物分かりが良すぎるストーリーかなぁという印象です。

 

 

「あの花」の画像検索結果

 

一旦過去を思い出させていただきますが。

 

あの花の何が素晴らしかったって、まず第一に「めんま」の絶対的なヒロイン像が確立されていたことと、そのめんまを中心としたセカイ系超平和バスターズの一人一人にガッチリと結びついていたことで、作品のテーマがブレずにラストのあのシーンで視聴者をカタルシスへと導いてくれた点なんですよね。

 

確かに、あの花はクオリティが高すぎたので、それと比べてしまうのは少々酷だとは思いますし、僕のピュアさもあの花視聴時とは比べ物にならないですが、そのことを踏まえた上でもね、この「空の青さを知る人よ」は余りにも“没入(はい)れ”なかった。

 

何が一番の原因だったのかを考えると、僕は“作品テーマを欲張り過ぎた”ことかなと思います。単純に僕のキャパが追いついてないだけという可能性もありますが、少なくとも「で、結局のところどうなの?」みたいなモヤモヤが残ったのは事実です。

 

僕が感じたこの作品に詰め込まれたテーマは「中学生特有の行き場のない情動(進路・恋・都会への憧れ)」「家族のあり方」「タイムリープ(過去と現在との対比)」「音楽(バンド)」「三十路の面倒臭い人間関係」「SF」..などなど。

 

なんだか、あの花・ここさけ以上のものを作らなきゃ!みたいなプレッシャーと焦燥が滲み出たまま完成を迎えちゃった感がすごいある。

 

個人的にはもっとテーマを絞って、1点集中のホームラン狙いの方が良かった。いろんな伏線?とか、サブキャラの中途半端な物語への介入によって、もともとテーマが散らかり過ぎてるのにストーリーが進むにつれてどんどん作品が薄味になっていった。

 

もう鑑賞中の半ばくらいから若干批評モードで観てしまっていて、一応ラストまで一発逆転を期待して観ていましたが、おいおいおい、そこでそうなっちゃうんだ?!え、これで終わり?エンドローーール!!(終)って感じで、しかもエンドロールの演出も「えー、まじかー」みたいな無理やりくっつけたパズルを見せられてる気がして、なんかもう、全体的にアレでした。

 

もちろん、部分的にはグッとくるシーンとかはあったんですが、如何せんそれぞれのキャラの背景とかストーリーが刹那的過ぎて、、

 

だからこの作品は、映画じゃなくてワンクールのアニメ作品として出した方が魅力が増したんじゃないかと、むしろリメイク版としてそっちver.を観たいですね。

 

ただ、一言でまとめるなら、僕はしんのみたいな男は好かん。

 

僕にとって、この作品はそれに尽きます。

 

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先日のJOKERに引き続きこんなブログになってしまいましたが、別に僕は批判したくて映画を観てるわけじゃなくて、むしろ作品に対する期待値が高いからこそのモヤモヤなので、もしお気を悪くされた方がいれば、その辺ご理解いただければと思います。

 

また昔みたいに心から震える作品に出会えますように。