遠浅の死海。

文字の海に溺れて死にたい。幸福の国。

I AM A HERO.(R15+)

映画、アイアムアヒーローを観てきました。

 

何が歯痒いって、今のこの興奮を伝えられるだけの文章力が僕にないことですよ。

 

(以下、感想)

 

いや、

なんていうか、

もう、

ほんと、

これ、

すごいよ、

ね、

うん、

ていうか、

うわー、

なんだろ、

あああああああああ、

 

ヤバい。



ほら、僕の文章力ではこれが限界です。

でも、書きたい衝動が収まらないので駄文ですが綴ります。

まず、何からどう書けばいいでしょうか。


ーーー。


アイアムアヒーローの原作ファンの方で、もし「まだ観てない」という人は『いいから黙って映画観てこい』もうブログ読まなくていい、はい、今すぐ、いってらっしゃい!(おわり)

で、アイアムアヒーローを知らない人は続きをどうぞ。

 

ーーー。

 

アイアムアヒーロー】は、花沢健吾さんの漫画が原作です。ストーリーの内容は、主人公の鈴木英雄(将来に希望が持てない35歳のマンガ家アシスタント。クレー射撃が趣味で散弾銃を所持している)の目線で描かれる世界の崩壊劇。ありふれた何気ない日常が、音を立てながら超絶リアルに壊れていきます。

 

簡単に言うと【ゾンビ映画(漫画)】なんですけど、バイオハザードとかをイメージしてたら度肝抜かれます。作品内で奴らは「ZQN(ゾキュン)」と呼ばれていて、ゾンビ作品の基本的なルールである「ゾンビは人間に噛み付く」「噛まれたら感染する」「頭部を完全に破壊しないと倒せない」などは踏襲されていますが、他のゾンビ作品と決定的に違うのは『どこまでもリアル(日常的)であること』と『主人公がたまたま銃が扱えるだけの普通のおじさんであること』です。

 

バイオハザードとかは、主人公が格好いいじゃないですか。体格も良くて、運動神経も抜群で、絶対に死ななそうじゃないですか。でもアイアムアヒーローは、いつ死んでもおかしくない主人公なんです。主人公だから死なないとは思うんですけど、それでも頻繁に(死ぬんじゃない?!)って思わされます。だからこそ、見る側の僕ら(普通の人間)が感情移入・状況移入しやすい。それがこの作品の面白いところです。

 

ここまで書いて思ったんですけど。正直、映画観るよりも先に漫画の方を読んでほしいですね。1巻だけでいいので。1巻の”あのシーン”の衝撃に耐えられる人は映画館へ、耐えられない人は観ないことをオススメします。

 

僕は1巻の衝撃に一度は打ちのめされ、続きを読むまでに3ヶ月かかりました。あの頃はまだ”耐性”が弱かったので。それでも、今は19巻(最新巻)まで読み進めてる熱烈なファンになりました。面白いですよー。人によってはトラウマになる可能性もありますが、面白いですよー。

 

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さて、映画の話に入ります。

 

まず、はじめに。【実写化】というものハードルの高さは、もう皆さんご存知ですよね。今まで自分の好きな作品(漫画・小説)が実写化(アニメ化)されて「全然違う!!!」と、憤った経験のある方は少なくないと思います。また、憤るまで行かなくても、「うーん。。まぁ、これはこれでアリか」程度のクオリティの作品が多いのではないかと思います。今回のアイアムアヒーローも、原作が原作なだけに期待よりも不安が大きかったです。でも実際に映画を観たら、そんな期待も不安も全部まとめて『フッ飛ぶ』くらい大満足の出来でした。

 

そもそも実写化において何よりも重要なのが「誰が演じるか」ですよね。作品の満足度は、ここで8割決まると言っても過言ではないでしょう。でもキャストが発表された時、僕は安心しました。主人公が大泉洋さん。これは、もう流石のキャスティングです。すぐに見えました。スクリーンの中で動く鈴木英雄が。ダブルヒロインのキャストも有村架純さんと長澤まさみさんという、なかなかの力の入れ様。まぁ原作ファンからすると(ちょっと美人すぎるんじゃないか?)とは思いましたが、スクリーン映えするという点では完璧な女優さん方です。そして、映画の中では期待を遥かに超える名演技。やっぱり実力派俳優さんたちはすごい。すごい。

 

そして、もう一つ。というか、主人公やヒロインよりも重要な役。この作品の”肝”である”ZQN”のクオリティについてですが。これが、もうね。

 

恐怖。恐怖。恐怖。です。

 

特殊メイクやCGを「これでもか!」と使い、基本の”動き”を各俳優さんが演じる形でしたが。これが、もうね。全員が完全なるZQNに変貌していました。めっちゃ怖い。めっちゃリアル。めっちゃ噛み付く。でも、だからめっちゃ面白い!この実写化に携わった方々、全員の原作に対する”愛”が伝わってきました。一切の手抜きなしです。

 

キャラクターもストーリーも、相当なレベルで原作に忠実に創られています。映画という短い時間での表現も、世界が崩壊していくスピードと上手くリンクしていてゾクゾクしました。絶対【続編】ありますよ、コレ。今回のを第1章とするならば、少なくとも第3章まではあります。(というか、やってください、おねがいします)

 

原作の方は、いよいよ佳境に入ってきました。死んだと思ってた人が生きていたり、絶対死なないと思ってた人があっさり死んだり、世界はすでに99%以上崩壊していて、そんな中でまだ生きている人たちは何を考え、どう動くのか。そしてこの作品に、花沢さんがどんなラストを描くのか。めちゃくちゃ楽しみです。それまでは死ねない。

 

あまりネタバレになるようなことは書きたくないので、この辺にしておこうかと思います。「グロテスクな表現・ホラー描写への耐性がある」と自覚している方は、どうぞアイアムアヒーローの世界へ行ってらっしゃい。ただしその後、すべての人間が怖く見えたり、肉料理が食べられなくなったり、悪夢にうなされたりするなどの後遺症を患っても、すべて自己責任ということで。

 

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P.S.

君は、ヒーローになれるか。

 

www.iamahero-movie.com