遠浅の死海。

文字の海に溺れて死にたい。幸福の国。

君は自分の心臓の一部になってしまう音楽と出逢ったことがあるか?


僕はある。

タワーレコード難波店5F、
イベントスペースにて。

振り絞るように歌われた歌を、
噛み締めるように全身で聴いた。

バンド名は、tacica

01.サイロ
02.夜明け前
03.発熱
04.Butterfly Lock
05.DAN

約30分間のミニライブ。

それでも瞬きが見えるくらいの近距離で触れた彼らの音楽は、例え一曲、いやワンフレーズだけでも聴く価値は十二分にあった。

ライブとか、人が密集する空間が苦手だから基本的には行かないけど、それでもtacicaの音楽だけは“生”で感じたい。

前にも書いたけど、多分これからも何度も書くけど。彼らの音楽は墓場まで持っていきたいんだ。秘密とかじゃなくて、死ぬまで聴き続けて、死んだ後も聴いていたいと思える音楽。

聴き続けて5年くらい経つけど、一曲たりとも中途半端なものはないし、何度聴いても何度聴いても何度聴いても、まるで褪せない。

これはtacicaを聴く方なら解る感覚だと思うけど、例えば日常、例えば水、例えば空気。当たり前にあるから、それに飽きるとかはない。tacicaの音楽は、音楽でありながら限りなくソレに近い。

歌詞、声、メロディ。あと、説明できない何か。それらを毎回微妙に配分を変えながら曲が創られているという感じ。添加物、着色料、不純物など一切なし。完全無添加のオーガニックミュージック。

正直これ以上の熱量はこの世界にはないと思う。音楽が人間に及ぼす影響はこの世で最強レベルだよ、絶対。

 

最後に。

 

まだ心臓まで届く音楽に出逢っていない人に、いつか良い出逢いがありますように。そして既に出逢っている人は、その音楽を死んでも聴き続けられますように。

今は、そんな気持ちです。