遠浅の死海。

文字の海に溺れて死にたい。幸福の国。

悪の純度。

「ヤバイ」「ヤバイ」と評判のJOKER、観了。

 

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んー。なんとも...というのが正直な感想です。

 

前評判が盛り上がりすぎて自分の中でハードルが激上がりしていたことや、そもそもバットマンを全然知らないことや、僕の感性がひねくれてることなんかが原因かもしれないが。

 

とりあえず、なんの前情報も入れずに観たので、勝手なイメージとして「バットマンっていう映画の中に出てくるジョーカーっていう悪のカリスマが生まれるまでの衝撃的ストーリー」みたいな作品だと思ってたけど、、まぁ確かにそうだったのかもしれないけど、個人的には物足りない。

 

僕はフィクションの中では割と悪役に惹かれることが多くて(ワンピースでいうところのクロコダイルとかドフラミンゴとか)、別にこの作品に少年漫画的要素を期待していたわけではないが、少なくともそういう“正義と対立しながらも圧倒的な力とセンスで世界を蹂躙していく悪のカリスマ爆誕劇”みたいなものを期待していた。

 

けど、これってさぁ。

 

単に超絶不幸な星の下に生まれただけのチョット頭はおかしいけど根は純粋な普通の人間の“ドキュメンタリー番組”にしか思えなかったんだよね。

 

フィクション作品にはさ、もっと意外性とか非現実さとかがスパイスとして欲しいわけですよ。それなのにJOKERにはそれが無い。ただ最低な世界で最低なことが起きて当然主人公も最低な気分になって、そんな時にアメリカという社会に生きていれば特段珍しくもないであろうキッカケを手に入れ、そしたら「そりゃそうなるわな」って感じのシーンが淡々と続いていくだけ。

 

主演のホアキン・フェニックスをはじめ、その他の俳優の方々の演技はとても素晴らしく、その点に関しては魅入っていたが、ストーリー的には不完全燃焼。

 

少なくとも僕は、この映画を観ただけではJOKERにカリスマ性を感じなかった。

 

はじめに言ったように、僕はバットマンそのものを全く知らないし、アメコミ作品自体あまり興味がない。じゃあなんで観たんだよ、と思うかもしれないが、そんな僕でも震えるような作品かもしれないと期待させるような感想が多くあったから観た。結果、拍子抜けした。そんな感じ。

 

だんだんJOKER批判みたいになってきたのでこの辺にしておこうと思うが、この作品を「衝撃的」とか「圧巻」とか「ヤバイ」と言っている人達にどこがどう衝撃的で圧巻でヤバイのかを聞いてみたい。嫌味とかではなく、ほんとに。

 

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最後に劇中の台詞から。

 

狂っているのはこの世界か。それとも僕か。(うろ覚え)