遠浅の死海。

文字の海に溺れて死にたい。幸福の国。

青春に殴られてこい。

これは結論から言うと、

否、むしろ結論だけで良いかもしれないが。

 

「劇場版フリクリ オルタナ

 

最高に青春だから、黙って映画館で殴られてこい。

 

以上。

 

以下、補足。

 

物語は地球星にて、群像劇の舞台は日本国。

主人公はカナブン、ペッツ、モッさん、ヒジリーの、たった4人のセブンティーン。

そして宇宙人のハルハラ・ハル子。(※永遠の19歳)

 

女子高生というのは、本当に絵になる生き物だと改めて思った。

 

傍目には平凡で平和な生き物にしか見えないのに、一人一人が内側に抱える「自分」は、とても複雑で、純粋で、卑怯で、優しくて、脆くて、絶対に交わることはない。

 

まるで青春の権化のようだと、この作品は彼女らを最大級に暴れさせていた。

 

永遠とか、そんな刹那的な理想なんて何処にも在るはずない。

そんな事はきっとみんな解ってるし、誰も解ってない。

 

そうやって右脳と左脳を行ったり来たりしながら、心と体がバラバラになりそうになりながら、観客としてフリクリの世界から不意打ちをくらう。

 

一瞬一瞬がどうでもよくて、かけがえのない無意味な宝石。

 

兎にも角にも、この僕の文章のように、とりとめもなく、文脈のないストーリーが繰り広げられていく訳だが、そんな作品の“関節”となるのが、言うまでもない“ハルハラ・ハル子”だ。

 

何も前知識は要らない。

 

全く意味がわからないかもしれない。

 

けど、平成最後の、二度と戻らないこの季節に。

 

一発殴られてみるのも悪くないだろう。

 

全てのツマラナイ人間へ。

 

フリクリは「叫べ!」と掻き鳴らす。