遠浅の死海。

文字の海に溺れて死にたい。幸福の国。

【渦森今日子は宇宙に期待しない。】

女の子にしか書けない小説。

 

最果タヒさんの小説《渦森今日子は宇宙に期待しない。》を読み終わった瞬間に、反射的にそう思った。最近流行り?の大きすぎるパフェを一人で食べきったような読後感。それから、自分でもびっくりするくらい誰にも感情移入できなかった★

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ファッションで例えると、この物語は終始KAWAII系ファッション。

 

あと、これは僕が男(24)だからだろうか。読んでいる間、ずーーー・・・っと(数年前まで学校とかで聞こえていた、また聞かされていた)あの女子たちの他愛のない、とても刹那的で、でもどこか永遠的で、退屈なようで真理をついているような、目まぐるしく回転する新品遊園地のコーヒーカップに搭乗しているような、あの三半規管に”くる”感じ。あれを感じさせられて若干目が回ってしまいました。

 

でもそれが最果タヒさんらしい、つまり女の子らしい小説だなーと思います。彼女の詩や小説はどれも本当に女の子で、根拠のない圧倒感をまとっていて「あわー〜〜」ってなるから好きです。共感を超えた「好き」を僕の中に植えつけます。

 

ブックレビュー的なもののお約束というか、「◯◯な人にオススメです!」みたいな個人的見解を述べるのであれば、この小説が似合うのは10代の、というか、あくまで一般的な10代の性質を持ち合わせている人、もしくは周囲からは結構能力高そうとか思われてるけど実際の私は意外と空っぽででもそれを悪いことだとは全然思ってなくてむしろ可愛くない?逆に!え?逆に可愛くなくなくない?こんなミステリアスな私可愛くない理由なんてどこにもなくない?!(嘘。でもでもやっぱり心臓の端っこの方ではやっぱりモヤモヤしてるから寂しがり屋なんです私!でも友達としゃべってアイスとか一緒に食べたらもう悩みなんてどっかいっちゃいまーす♪(てへぺろ)みたいな人が読んだら共感とかしやすいじゃないかな、って思います。別に作品という作品すべてに共感が必須だとは全然思ってないから(むしろ要らないと思ってるから)、◯◯な人にオススメします!って取り立てて言うことではないけども。だから、みんな好き勝手に自分が興味のあることだけに触れたらいいじゃん、ね!(自己完結)

 

それから、たぶん何名かの人は見落としがちな”帯”に綴られている大森靖子さんのレビューもいい。やっぱり女の子っていう生き物は【女の子同士】でしか分かり合えない、イルカとか(適切)コウモリとか(不適切)が出す、あの【チョーオンパ】みたいなビームみたいな何かを常に発信していて、女の子はみんなその不思議電波で繋がっていて、実は案外宇宙人で、それこそ正真正銘の男子禁制のスカートの中みたいな膜の中に存在している天然記念物なんじゃないかなーとか思ったり思わなかったりしました。(疎外感)

 

物語の具体的な設定や内容については2mmくらいしか触れていませんが、気になる方は「他の方のレビューを読む」か「買って読む」かしてください。(丸投げ)

 

売れ行き次第で続編?の可能性があるらしいので、是非☆

 

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